世界には、信仰を公に語る著名なクリスチャンが数多く存在します。一方、日本では、信仰を持っていること自体があまり表に出ることはなく、その存在は知られにくいのが現状です。しかし、静かに、誠実に信仰を守りながら歩んでいる著名人も、確かにいます。ここでは、日本人・外国人を問わず、ご本人が語った「証(あかし)」を紹介していきます。
星野富弘さんの証
星野富弘さんは、群馬県出身の詩人・画家です。若い頃は体育教師として働いていましたが、部活動の指導中の事故により頸髄を損傷し、首から下の自由を失いました。長い入院生活の中で、口に筆をくわえて文字や絵を描くようになり、草花を題材にした詩画作品を発表。その作品は多くの人の心を打ち、全国的に知られるようになりました。
事故によって人生が一変し、絶望の中にあった星野さんは、病床で聖書と出会い、キリスト教信仰へと導かれました。思うように生きられない現実の中で、「生きていること」「今日という一日」が、神から与えられた恵みであることに気づかされていったと語っています。
マット・マートンの証
マット・マートンは、アメリカ出身のプロ野球選手です。MLBを経て日本プロ野球(NPB)に挑戦し、阪神タイガースに所属。来日1年目の2010年にセ・リーグのシーズン最多安打記録を更新するなど、卓越した打撃技術と安定した成績で多くのファンに知られる存在となりました。
マット・マートンは、キリスト教信仰を公にしているクリスチャンアスリートの一人です。日本でのプレー中も、結果や評価に一喜一憂するのではなく、「自分の野球人生は神に委ねられている」という姿勢を大切にしていたと語っています。マートンの証は、「成功している時だけが祝福なのではない」というメッセージを静かに伝えています。野球を通して与えられた才能を神への感謝として用い、与えられた場所で誠実に生きる——その姿勢は、多くの人に信仰と日常生活が切り離されたものではないことを示しています。
マイケル・チャンの証
マイケル・チャンは、アメリカ出身の元プロテニス選手です。1989年、全仏オープンで当時史上最年少の17歳で優勝し、世界的な注目を集めました。正確なストロークと粘り強いプレースタイルで長く第一線で活躍し、引退後は指導者としての道に進みました。
その後、日本のトッププレーヤーである 錦織圭 のコーチを務め、世界のトップレベルで戦うためのメンタル面・技術面の両方を支えたことでも広く知られています。
マイケル・チャンは、若くして世界的成功を手にした一方で、常にプレッシャーと評価の中に身を置いてきました。勝敗やランキングがすべての世界で、「勝つこと」が自分の価値そのものになっていた時期があったと率直に語っています。キリスト信仰と深く向き合う中で、彼は「人の価値は結果ではなく、神に愛されていることにある」という確信に導かれていきました。この信仰は、選手時代だけでなく、コーチとしての姿勢にも大きな影響を与えています。
ニック・ブイチチの証
ニック・ブイチチは、オーストラリア出身のキリスト教講演家・作家です。生まれつき両腕・両脚のない「テトラ・アメリア」という障がいを持って生まれました。幼少期からいじめや強い孤独を経験し、一時は生きる意味を見失ったこともありましたが、現在は世界各地で講演活動を行い、「Life Without Limbs(手足のない人生)」の創設者として、多くの人に希望のメッセージを伝えています。
ニック・ブイチチの証は、「なぜ自分がこの体で生まれたのか」という問いから始まります。成長するにつれ、彼は強い絶望を抱き、「神がいるなら、なぜ自分をこの姿で造ったのか」と苦しみ続けました。思春期には自ら命を絶つことを考えたこともあったと、語っています。しかし、聖書の言葉と出会う中で、彼は少しずつ考え方が変えられていきました。神は欠けのない人だけを用いるのではなく、弱さや限界をも含めて、一人ひとりを目的をもって造られた存在である——その確信が、彼の人生を大きく方向づけました。
べサニー・ハミルトンの証
ベサニー・ハミルトンは、アメリカ・ハワイ出身のプロサーファーです。幼い頃からサーフィンに親しみ、将来を嘱望されていましたが、13歳のときにサメに襲われ、左腕を失うという大事故に遭いました。それでも驚異的な回復を遂げ、事故からわずか数か月後に競技へ復帰。現在もプロサーファーとして活躍し、世界中に影響を与えています。
ベサニーは幼い頃からキリスト教信仰に親しんでおり、事故の後も「神は私を見捨てていない」という信仰が心の支えになったと語っています。腕を失ったことは大きな現実でしたが、それ以上に「自分の人生は神のご計画の中にある」という確信が、前に進む力を与えました。彼女の証は、「失ったもの」よりも「残され、与えられているもの」に目を向ける生き方を示しています。サーフィンを続けること自体が奇跡のように見える一方で、ベサニー自身はそれを特別な英雄譚としてではなく、「神から与えられた人生を、そのまま生きているだけ」と語ります。
チャック・スミス牧師の証
チャック・スミス牧師は、アメリカ出身のキリスト教牧師で、カルバリーチャペル(Calvary Chapel)の創設者として知られています。1960年代後半、カリフォルニア州コスタメサで小さな教会を牧会していましたが、当時社会から距離を置かれていた若者たち(ヒッピー世代)を無条件で受け入れ、聖書を中心としたシンプルなメッセージを語り続けました。その働きは後に「ジーザス・ムーブメント」と呼ばれる霊的覚醒の流れへと発展していきます。
チャック・スミス牧師の証は、「人を変えようとするのではなく、神の言葉に委ねる」という姿勢に貫かれています。彼は、時代に迎合したメッセージや派手な手法ではなく、聖書を順序立てて、ありのままに語ることこそが、人の心を本当に変える力を持つと確信していました。彼自身の証は、劇的な回心体験を前面に出すものではありません。むしろ、「忠実に、忍耐強く、神の言葉に仕え続けること」の大切さを静かに語ります。人の働きや能力ではなく、聖霊が教会を成長させる——その信念は、生涯変わることがありませんでした。