イースターとは何の日?

祝祭

イースターとは

イースターとは本来、キリスト教で最も重要な祝日の一つであり、イエス・キリストの復活を記念する日です。聖書では、イエスは十字架にかけられた後、死から3日目に復活したことが描かれています。この出来事は新約聖書の中心的なテーマであり、キリスト信仰の核心をなしています。

そのためイースターは、キリストの復活を祝う日です。

しかし近年のイースターの伝統には、イースターエッグの探し物やイースターバニーの伝説など、キリスト教の起源とは別の要素も含まれています。これらの習慣は、特に西洋の国々で子供たちにとってのイベントとなり、より世俗的なイベントになってしまっているのが現状です。

今年はいつ?2024年のイースターの日にち

イースターの日にちは、一般的には春分の日の後の最初の満月の後の日曜日に祝われます。これは西洋キリスト教の計算方法に基づいており、その結果、イースターは3月22日から4月25日の間のいずれかの日曜日になります。そのため、イースターの日付は毎年変わるのです。

2024年のイースターは、3月31日の日曜日になります。

イースターの起源


イースターの最も直接的な起源は、キリスト教におけるイエス・キリストの復活の祝祭です。新約聖書によると、イエスはローマの当局によって処刑され、死後3日目に復活したと記されています。この復活は、罪と死の克服、および永遠の命への希望を象徴しており、キリスト教徒にとって最も重要な出来事の一つとされています。

ユダヤ教の過越し: イースターは、ユダヤ教の過越し祭と時期が重なることが多く、イースターの起源にはこの古い祭りとの関連も指摘されます。過越し祭は、古代イスラエル人がエジプトの奴隷生活から解放された出来事を記念するユダヤ教の祭りです。イエスの最後の晩餐は過越しの食事とされており、キリスト教のイースターの伝統はこのユダヤ教の背景からも影響を受けています。

イースターの語源

イースターという言葉の語源は完全には明らかではありませんが、最も一般的な説は、古英語の「Ēostre」から来ており、これは春の女神または春の祭りに関連する名前であるとされています。しかし、この語源には異論もあり、イースターの名前がどのようにして現在の形になったかについては、複数の文化的、宗教的要素が絡み合っていると考えられます。

「Easter」という単語は、他の多くの言語での復活祭を指す言葉とは異なります。たとえば、ラテン語では「Pascha」、ギリシャ語では「Πάσχα」(Pascha)といい、これらはいずれもユダヤ教の過越し(Passover)に由来します。この違いは、英語とドイツ語(Ostern)に特有のもので、これらの言語では異教時代の春の祭りや女神との関連が名前に反映されています。

イースターはなぜうさぎが描かれている?

イースターにうさぎが関連付けられているのは、主に豊穣と再生のシンボルとしての役割に由来します。うさぎは、非常に高い繁殖力を持っていることで知られています。この特性が、春の季節、新しい生命の始まり、そして自然の再生と強く結びつけられています。

またイースターにうさぎが描かれている理由には諸説あります。
ひとつは、異教時代のヨーロッパにその起源を持つとされています。特に、春の女神Eostre(またはOstara)に捧げられた古代の祭りと関連があると言われています。Eostreは新しい生命と春の到来を象徴する女神で、彼女のシンボルとしてウサギが用いられたという説があります。しかし、この点については歴史的な記録が限られており、一部の学者からは疑問視されています。

さらに有力な説は、イースターバニーの伝統が、18世紀にドイツの移民によってアメリカに持ち込まれたことです。彼らは「オスターハーゼ」と呼ばれる伝説を持っており、それは子供たちが良い行いをすると、このウサギが彩色された卵をもたらすというものでした。この伝説はアメリカで広まり、イースターバニーは卵を隠すだけでなく、チョコレートや他の贈り物を子供たちに配るキャラクターへと進化しました。

結局のところ、イースターにおけるウサギのイメージは、新生と豊穣の季節を象徴する古い伝統と、子供たちへの贈り物をもたらす現代のキャラクターという、異なる文化的要素の融合から生まれたものです。

イースターはなぜ卵が描かれている?

イースターに卵が関連付けられているのは、卵が新しい生命の始まり、再生、復活を象徴しているからです。このシンボリズムはキリスト教の伝統だけでなく、多くの文化や宗教を通じて見られます。イースターの文脈では、卵はイエス・キリストの復活と新しい生命の勝利を象徴しています。

キリスト教の観点からは、イースターの卵はイエスの墓と復活を象徴しています。卵の硬い殻は、封じられた墓を表し、殻を破って出てくる生命は、イエスが死を克服し、墓から復活したことを象徴しています。

イースターの卵の習慣には、卵を染めたり、装飾したりする伝統が含まれます。これは、卵を特別なものとして祝福し、春の到来を祝う行為です。特に、赤く染められた卵は、イエス・キリストの血を象徴するとされ、東方正教会の伝統においては特に一般的です。

総じて、イースターの卵は、キリストの復活を祝うキリスト教の伝統、古代の春の祭り、そして新しい生命と再生の普遍的な象徴という、複数の層から成り立っています。

イースターは何をする?

イースターの期間、ディズニーランドやユニバーサルスタジオでもパレードなどのイベントが行われます。イースターはクリスマス同様、日本ではパーティやイベントの一種となりつつあります。しかし、イースターの本来の意味は、キリストが十字架にかけられ、死んだ後、3日目に復活したことを祝うことです。そのため、教会ではキリストの復活を記念した礼拝が行われます。

イースターの挨拶とは

イースターの期間中に使われる挨拶は、地域や文化、宗教的背景によって異なりますが、一般的にはキリストの復活祭の精神を反映したものが用いられます。以下に、いくつかの一般的なイースターの挨拶を紹介します。

キリスト教の伝統的な挨拶

挨拶:「Christ is risen!」(キリストは復活された!)
応答:「He is risen indeed!」(本当に主(キリスト)は復活されました!)

この挨拶と応答は、特にキリスト教徒の間で広く用いられています。イースターの本質的なメッセージ、すなわちイエス・キリストの復活を直接的に表現しています。

一般的な挨拶
「Happy Easter!」(ハッピー・イースター!)
これは最も一般的なイースターの挨拶で、宗教的な背景に関わらず広く使われています。友人、家族、同僚など、さまざまな人々に対して使うことができます。

「Blessed Easter」(祝福されたイースター)
この挨拶は、少しより宗教的なニュアンスを持ち、受け取る人に平和と祝福を願う意味が込められています。

「Have a joyful Easter」(楽しいイースターを)
イースターの喜びと祝祭の精神を共有するための挨拶です。

他の言語での挨拶

・スペイン語:「¡Felices Pascuas!」(フェリセス パスクアス!)「おめでとう復活祭!」
・フランス語:「Joyeuses Pâques!」(ジョワイユーズ パック!)「楽しい復活祭を!」
・イタリア語:「Buona Pasqua!」(ブオナ パスクア!)「良い復活祭を!」
・ドイツ語:「Frohe Ostern!」(フローエ オスターン)「楽しいイースターを!」
・ロシア語:挨拶:「Христос воскресе!(Christos voskrese!)」(ハリストス ヴォスクレセ!)「キリストは復活した!」
応答:「Воистину воскресе!(Voistinu voskrese!)」(ヴォイスティヌ ヴォスクレセ!)「本当に、復活した!」

イースターの聖書箇所

イースターに関連する聖書の箇所は、新約聖書の中でイエス・キリストの受難、死、そして復活を記述しています。これらの出来事は、新約聖書の四つの福音書、すなわちマタイによる福音書、マルコによる福音書、ルカによる福音書、そしてヨハネによる福音書に詳述されています。以下に、イースターに特に関連するいくつかの重要な聖書箇所を紹介します。

マタイによる福音書:28章1-10節

マタイによる福音書 28:1-10では、イエス・キリストの復活の出来事が記述されています。この箇所は、キリスト教の信仰における最も重要な出来事の一つ、イエス・キリストの復活を描いています。復活は死と罪の力を打ち破ったことを示し、信者たちに新しい希望と永遠の命をもたらすとされています。以下にその要約を示します:

イエスが十字架にかけられた後、安息日の後の週の初めの日、マリア・マグダラともう一人のマリアは、夜明けとともにイエスの墓を訪れます。 彼女たちが墓に近づいたとき、大地震が起こり、主の使いである天使が天から降りてきて、墓の石を転がし、その上に座ります。天使の姿は雷光のようで、衣は雪のように白いです。

天使は女性たちに恐れないようにと告げ、イエスが死者の中から復活したこと、彼がガリラヤに先立って行くというメッセージを伝えます。そして、弟子たちにこの喜ばしい知らせを伝えるようにと彼女たちに命じます。

女性たちが急いで墓を離れ、弟子たちに知らせに行く途中で、イエス自身が彼女たちに現れます。彼女たちはイエスの足にすがりつき、礼拝します。イエスは彼女たちに恐れないようにと言い、弟子たちにガリラヤで自分に会うように伝えるようにと言います。

マルコによる福音書:16章1-8節

マルコによる福音書16:1-8節までの出来事は、イエス・キリストの復活を描いています。この箇所は、新約聖書におけるイエスの復活の物語の中で、特に緊迫感と急展開を描いています。マルコの福音書は、女性たちの恐れと沈黙で終わるという、他の福音書とは異なる独特の結末を持っています。この終わり方は、後の伝統や他の福音書との比較で、多くの議論を呼んでいます。以下にその要約を示します:

キリストが十字架にかけられた後の安息日が終わった後、マリア・マグダラ、マリア(ヤコブの母)、およびサロメは、イエスの体に塗るための香油を買いに行きます。そして日曜日の朝早く、彼女たちは墓に到着します。すると墓の入り口を塞いでいた大きな石が転がされており、女性たちは見て驚きます。

墓の中に入ると、彼女たちは右側に白い長い衣を着た若者(天使)を見つけます。天使は女性たちに恐れないようにと言い、イエスが復活したことを告げます。また、彼女たちに、イエスがガリラヤに行き、そこで弟子たちとペテロに会うというメッセージを伝えるようにと言いますが、驚きと恐れから、女性たちは何も人に言わずに墓から逃げ出します。

ルカによる福音書: 24章1-12節

ルカによる福音書24:1-12までの出来事は、イエス・キリストの復活の朝を描いています。この箇所では、イエスの復活とその最初の証人である女性たちの役割が強調されています。また、弟子たちの疑いとペテロの個人的な確認の試みが描かれています。以下にその要約を示します:

安息日の後の第一週の初め、マグダラのマリア、ヨハンナ、マリア(ヤコブの母)、およびその他の女性たちは、イエスの体に塗るために用意していた香料を持って墓に来ます。

すると彼女たちは、墓の石が転がされているのを見て驚きます。墓に入ると、イエスの体がないことに気づきます。その時、驚くべきことに、輝く衣を着た二人の男(天使)が彼女たちのそばに現れます。

天使たちは女性たちに、「なぜ生きている者を死人の中で探すのか?」と尋ね、イエスが死者の中から復活したことを思い出させます。彼らは、イエスがガリラヤで言ったこと、すなわち人の子が罪人の手に渡され、十字架につけられ、三日目に復活するという予言を思い出させます。

女性たちは墓から戻り、このすべてのことを十一弟子と他のすべての人に伝えます。しかし、彼女たちの言葉は弟子たちには荒唐無稽に思え、彼らは信じません。しかし、ペテロは立ち上がり、墓に走って行きます。彼は中を覗き込んで、リネンの布だけが置いてあるのを見て、起こったことについて驚きながら家に帰ります。

ヨハネによる福音書:20章1-18節


ヨハネによる福音書20:1-18までの出来事は、イエス・キリストの復活とマリア・マグダラとの出会いを描いています。この箇所は、新約聖書におけるイエスの復活の最初の目撃として、特にマリア・マグダラの役割を強調しています。また、イエスの復活が死と罪の力を打ち破ったこと、そして新しい生命の始まりを象徴していることを示しています。以下にその要約を示します:

キリストが十字架にかけられた後の週の初めの日の早朝、まだ暗いうちに、マグダラのマリアは墓に来て、墓の石が取り除かれているのを見て驚きます。

彼女はすぐにシモン・ペテロともう一人の弟子(伝統的にヨハネと考えられている)のもとへ走り、彼らに「主を墓から取り去られ、どこに置いたのかわからない」と告げます。

ペテロともう一人の弟子は墓へと走ります。もう一人の弟子が先に墓に着き、中を覗きますが入りません。ペテロが到着して墓に入り、リネン布とイエスの顔を覆っていた布が別々に置かれているのを見ます。もう一人の弟子も入ってこれを見て信じますが、彼らはイエスが死者の中から復活するということをまだ理解していませんでした。

弟子たちが帰った後、マリアは墓の外で泣いています。彼女が墓を覗くと、二人の天使が白い衣を着て、イエスの体が置かれていた場所に座っているのを見ます。天使たちは彼女になぜ泣いているのか尋ねます。彼女が答えた後、振り返ると、イエスが立っているのを見ますが、その方がイエスだとは認識しません。

イエスは彼女に話しかけ、なぜ泣いているのか、誰を探しているのかを尋ねます。彼女は、イエスを園の管理人と思い込み、もし彼がイエスの体を移動させたのなら、どこに置いたのか教えてほしいと言います。イエスが「マリア」と彼女の名を呼ぶと、彼女はようやくその方がイエスであることを認識し、「ラボニ(先生)」と答えます。

イエスはマリアに触れないように言い、ご自身がまだ父のもとへ上がっていないと告げます。そして、彼女に弟子たちのもとへ行き、「私は父、あなたたちの父、私の神、あなたたちの神のもとへ上がる」と伝えるようにと命じます。マリア・マグダラは弟子たちのもとへ行き、イエスに会ったことと彼から言われたことを伝えます。

イースター(復活祭)の本当の意味

イースター(復活祭)の「本当の意味」は、聖書から読み解くことができます。

新約聖書によれば、イエスは十字架にかけられ、死んだ後、3日目に墓から復活しました。この復活は、死と罪からの勝利を象徴し、信じる者に永遠の命への希望を与えます。

またイエスの犠牲と復活は、信じる者が罪から救われ、神の赦しを受けることができるという教えに基づいています。そしてそれはキリスト信徒にとって、新しい始まりを意味します。これは罪からの解放と、神との新しい関係を象徴しています。

これは、キリスト信仰において中心的なテーマです。これらのことから、イースターはキリスト教において最も重要な祝日であり、イースターの日に教会ではイエス・キリストの復活を記念して礼拝するのです。


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